AI（人工知能）の急速な進化が、「人型ロボット」の開発競争を加速させています。
中国のロボット開発スタートアップ、宇樹科技（ユニツリー・ロボティクス）は2月22日、シリーズB2の資金調達ラウンドで約10億元（約209億円）の資金を調達したと発表しました。投資家リストには、生活関連オンラインサービス大手の美団（メイトゥアン）、投資ファンド大手の金石投資（ゴールドストーン・インベストメント）、源碼資本（ソース・コード・キャピタル）などが含まれています。
宇樹科技は、2016年に設立され、4足歩行の「犬型ロボット」から研究開発をスタートしました。人型ロボットへの参入は比較的新しいもので、2023年8月に初号機の「H1」を発表しました。そのデモンストレーション動画では、エンジニアが背後や側面から足で蹴飛ばしても、H1がバランスを崩さずに安定した2足歩行を続ける様子が披露されています。
創業者でCEO（最高経営責任者）の王興興氏は、財新記者の取材に対し、次のように述べています。「会社を創業した時は、人型ロボットの開発に参入する考えはありませんでした。伝統的なロボット制御技術や（ソフトウェアの）アルゴリズムでは、高い自由度と複雑さが要求される人型ロボットを安定的に制御するのは困難でした。しかし、AI技術のブレークスルーに触発され、考えを変えることになりました。」
王氏は続けて、「ロボットの運動制御や大規模言語モデルなどに関して、AIの進化のスピードやそれが実際のロボット開発にもたらす効果は、かつての自分の予想をはるかに超えていました」と述べました。
